夫カサヴェテスとの名コンビ
映画『こわれゆく女』『グロリア』などの作品で知られるアメリカ女優のジーナ・ローランズさんが、14日にカルフォルニアの自宅で亡くなったことが米メディアから伝えられた。
今年6月には家族からアルツハイマー病を患っていることが公表されており、その合併症が死因となった。没年94歳。
ジーナさんは1930年生まれのウィスコンシン州マディソン郡出身。銀行家で州議会議員の父と、女優だった母のもとで兄のデヴィッドと共に育つ。
その後一家は、父の仕事に伴いワシントンDCやウィスコンシン州ミネソタポリスなどで生活。ジーナは47年から50年までウィスコンシン大学に通っていたが、すでにその頃から彼女の美貌は際立っていたという。
卒業後はニューヨークに向かい、演劇学校で演技を履修。ここで生涯のパートナーとなるジョン・カサヴェテスに出会い、二人は54年に結婚する。
50年代初頭は舞台やテレビドラマで俳優活動を行ない、58年の『The High Cost of Loving』で映画デビュー。59年には夫カサヴェテスの初監督作となる『アメリカの影』に端役出演する。
このあと夫婦はいくつもの作品でコンビを組み、74年の『こわれゆく女』ではアカデミー賞の監督賞と主演女優賞にノミネート。残念ながらオスカーを逃すも、ジーナはゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞した。77年には同じくカサヴェテスが監督を務めた『オープニング・ナイト』でベルリン国際映画祭の銀熊賞・主演女優賞に輝く。
80年の『グロリア』ではマフィアに立ち向かう女性を熱演。ジーナは2度目となるアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされ、この映画は夫婦の代表作となった。
89年に夫カサヴェテスと死別。その後もジーナは俳優活動を続け、2004年には長男ニックが監督を務める『きみに読む物語』に出演。アルツハイマーで記憶をなくしたヒロインの晩年を演じた。
07年には次男のゾエが監督を務める『ブロークン・イングリッシュ』に出演し、15年にはアカデミー賞の名誉賞を受賞。同年の『Six Dance Lessons in Six Weeks』を最後に俳優業を引退することが発表されていた。