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カーク・ダグラスさん 103歳で死去

〈2020年2月7日の記事〉

 

103歳の大往生

ハリウッド黄金期を飾った往年の名俳優、カーク・ダグラスさんが、5日にロサンゼルスの自宅で死去したことが伝えられた。

尖った顎の窪みが特徴的なダグラスさん、多くの西部劇や史劇など娯楽作で演じたタフガイぶりがサマになる人気俳優だった。享年103歳の大往生で、長男は俳優・プロデューサーのマイケル・ダグラス

ニューヨーク州出身のダグラスさんは同州の演劇学校を卒業したあと、第二次世界大戦時の海軍に勤務。戦後、俳優として本格的な活動を開始した。49年の『チャンピオン』に主演し、俳優としての評価を確立。以後は硬派な男のイメージで、ハリウッドの人気スターとなる。

ハリウッド黄金期の人気スター

主な出演作は『チャンピオン』『探偵物語』『海底二万里』『悪人と美女』『炎の人ゴッホ』『OK牧場の決闘』『突撃』『バイキング』『スパルタカス』など。『チャンピオン』『悪人と美女』『炎の人ゴッホ』では、アカデミー主演男優賞にノミネートされている。

57年の西部劇『OK牧場の決闘』では、同時代に活躍したライバルで盟友のバート・ランカスターと共演。バート・ランカスター演じる保安官ワイアット・アープを助ける、ギャンブラーのドグ・ホリディ役を好演し名コンビぶりを見せた。

そして同年には、当時まだ無名だったスタンリー・キューブリック監督の『突撃』に、第一次世界大戦フランス軍大佐役で出演。この作品でキューブリックの才能を認めたダグラスさんは、製作総指揮・主演を務めた60年の『スパルタカス』で降板したアンソニー・マンに代わり、キューブリックへ監督を依頼することになる。

また『スパルタカス』の脚本家には、40年代に吹き荒れた赤狩りで「ハリウッドテン」の一人として弾劾されたドルトン・トランボを起用。共産主義者とされ「ブラックリスト」入りしたハリウッド人の復権にも尽力した。

81年には「大統領自由勲章」を受賞。96年に脳梗塞で倒れ後遺症が残ったが、2週間後のアカデミー賞に出席し名誉賞を受けた。その後も公的な場所に度々登場、最近まで元気な姿を見せていた。