サイレントノイズ・スタジアム

サッカーの歴史や人物について

映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ氏死去

〈2020年7月7日の記事〉

 

 

セルジオ・レオーネ監督との名コンビ

映画音楽を代表するイタリアの作曲家、エンニオ・モリコーネ氏が6日、ローマ市内の病院で亡くなった。先月末に転倒して大腿骨骨折、入院中の死去だった。享年91歳。

モリコーネ氏は1928年11月10日、イタリア・ローマの生まれ。サンタ・チェチリア音楽院でゴッフレード・ペトラッシについて学んだ。54年に軽音楽の分野に進出し、作曲家・アレンジャーとして活躍。60年から映画音楽を手がけるようになり、セルジオ・レオーネ監督「荒野の用心棒」(64年)で一躍その名を知られるようになる。

クリント・イーストウッド(90歳)主演の同作は、イタリアの西部劇「マカロニ・ウエスタン」の代表作となり、口笛やトランペットを取り入れたモリコーネ氏の音楽もその原型を形作った。

その後もレオーネ監督とは「夕陽のガンマン」(65年)「続・夕陽のガンマン」(66年)「ウエスタン」(68年)「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(84年)などでコンビを組んだ。

日本との関係

レオ・ニコルズやドン・サヴィオといった変名を時折使いながら作曲活動をし、70年代に入るとアメリカ映画の大作も手がけるようになる。イタリア映画ではパゾリーニ監督やベルトリッチ監督とも組み、「ソドムの市」(75年)「1900年」(76年)の音楽を担当、聴き手の感情を揺さぶる流麗な旋律による音楽で愛された。

他の主な代表作として、テレンス・マリック監督「天国の日々」、ローランド・ジョフィ監督「ミッション」(86年)、ジュゼッペ・トルナトーレ監督「ニュー・シネマパラダイス」(88年)など。07年には米アカデミー賞の名誉賞を受賞、15年に手がけたクエンティン・タランティーノ監督「ヘイトフル・エイト」で米アカデミー賞作曲賞を受賞した。

生涯で450本を超える映画・テレビ番組で音楽を担当。日本関連では、マルチアーティスト池田満寿夫による原作・監督「エーゲ海に捧ぐ」(79年)で音楽を手がけている。また03年にはNHK大河ドラマ「武蔵」の音楽も担当し、04年、05年には公演のため来日している。