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米女優 パイパー・ローリーさん死去

〈2023年10月17日の記事〉

 

オスカー候補3度の名女優

アカデミー賞に3度ノミネートされた米女優のパイパー・ローリーさんが、14日にロサンゼルス市内の介護施設で老衰により死去したことが伝えられた。享年91歳だった。

ローリーさんは1932年生まれのミシガン州デトロイト市出身。本名はロゼッタ・ジェイコブス。家具デイラーとして働く父親の祖父母はポーランド系のユダヤ移民、母方の祖父母はロシア系のユダヤ移民で、3人姉妹の末っ子として育つ。

小さい頃はとても内気な少女だったようで、心配した両親が発声のレッスンに通わせたことから演技も学ぶようになり、ユニバーサル映画のエキストラとしていくつかの作品に出演した。

 
ハスラー』で主演女優賞ノミネート

17歳となった49年、正式にユニバーサルスタジオと契約を結び、50年の『ルイーザ』でパイパー・ローリーの芸名を付けて本格女優デビュー。このとき共演したロナルド・レーガンとは何度もデートを重ね、彼が初体験の相手になったとのちに自伝で述べている。

その後トニー・カーティスロック・ハドソンらの相手役として人気を博すも、決まり切った役柄に飽き足らずニューヨークへ移住。リー・ストラスバーグが主宰するアクターズ・スタジアムで演技を学び直した。

61年には、アクターズ・スタジアム出身のポール・ニューマンが主演を務める『ハスラー』(ロバート・ロッセン監督)に出演。若きビリヤードプレイヤーの恋人役を演じ、第34回米アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされる。

その後しばらくテレビドラマを中心に活動していたが、76年のホラー映画『キャリー』(ブライアン・デ・パルマ監督)でスクリーンカムバック。いじめを受ける女子高生キャリー(シシー・スペイセク)の狂信的母親を演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネート。86年の『愛は静けさの中に』でも、2度目の助演賞オスカー候補となっている。

そのあとも映画、テレビドラマ、舞台と各方面で名バイプレイヤーとして活躍。90年にはドラマシリーズ『ツイン・ピークス』のキャサリン・マーテル役で、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞する。80歳を過ぎてもゲスト出演を重ね、2018年の映画『White Boy Rick』が遺作となった。