
イタリアの巨匠に愛された名女優
セクシーな容貌や庶民的なキャラクターで1960年代に人気を博したイタリアの女優、クラウディア・カルディナーレさんが、仏パリ郊外・ヌムールで死去したことが、イタリアメディアなどで伝えられた。没年87歳。
カルディナーレさんは1938年チュニジア(当時、フランス保護領)生まれ。19歳の時に美人コンテストで優勝したのをきっかけに、イタリアに移って映画界入りする。
59年、ピエトロ・ジェルミ監督『刑事』で重要な役を演じると、60年には巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の『若者のすべて』に出演。翌61年には『鞄を持った女』で主演を果たし、一気に注目を集めた。
62年、ヴィスコンティと並ぶイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督『8 2/1』に出演。同年には『山猫』(ヴィスコンティ監督)、『ピンクの豹』『ブーベの恋人』と、話題作に次々と出演を果たし、国際的に知られるトップ女優となる。
その庶民的なエロチズムは観客を魅了し、フランスのブリジッド。バルドー(BB)、アメリカのマリリン・モンロー(MM)と並ぶセックス・シンボルとして、「CC」の愛称で親しまれた。
晩年になっても精力的に俳優活動を続け、2022年の『許しの島』が遺作となっている。