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サッカーの歴史や人物について

《サッカー人物伝》フリッツ・バルター(西ドイツ)

 

「ゲルマンの偉大な主将」

強靱なフィジカルを誇り、技術も高く柔らかいボールタッチと強いシュートを合わせ持ったインナーFW。またヒールキックによる、トリッキーなシュートの名手としても知られた。生まれながらのリーダーシップでチームを引っ張り、勝利を呼び込んで「ゲルマンの偉大な主将」と呼ばれたのが、フリッツ・バルター(Friedrich Walter)だ。

1954年のスイス・ワールドカップで大本命のハンガリーを決勝で下し、初優勝を果たした西ドイツの司令塔でありキャプテン。冷静な判断力と正確なプレーで攻撃を組み立て、精神的にも戦術的にもチームをリードして、敗戦から立ち直ろうとする国民に大きな勇気を与えた。

弟のオットマールも西ドイツ代表選手で、共にワールドカップの優勝メンバーとなった。現役時代は地元クラブ、1.FCカイザースラウテルンでキャリアをまっとう。「赤い悪魔」と恐れられ、当時無敵を誇ったチームの中軸を長年に渡って務めた。

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