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サッカーの歴史や人物について

《サッカー人物伝》ズボニミール・ボバン(ユーゴスラビア / クロアチア)

 

「愛国の闘士」 

両足を自在に操り、俯瞰したかのような広い視野と冷静な戦術眼でゲームを組み立てた攻撃的MF。チェス好きで読書家という知性派ながら、ヒゲを生やした精悍な風貌と闘志を秘めたプレーから「ゾロ」の愛称を持つのが、ズボニミール・ボバン( Zvonimir Boban )だ。

 

87年の世界ユース優勝でその名を知られるも、民族紛争が続く祖国の事情により長らく国際舞台でその姿を見ることが出来なかった。90年代に入って旧ユーゴ解体でクロアチアが独立すると、ボバンは代表キャプテンとしてチームを牽引。ユーロ96ではベスト8、98年Wカップでは初出場3位の好成績に貢献する。

 

ACミランでは長らく10番を務め、本職のトップ下だけではなく、中盤の低い位置やサイドの起用にもフィット。周囲をサポートする献身的プレーと、汗や汚れを厭わない姿勢、あらゆる戦術に合わせられる柔軟性は、ファビオ・カペッロアルベルト・ザッケローニらの指揮官をうならせた。

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