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サッカーの歴史や人物について

《サッカー人物伝》ガリンシャ(ブラジル)

 

「脚の曲がった天使」

両脚の長さが違うというハンディを逆手にとり、予測不能な動きでピッチを切り裂いた伝説のドリブラー。立ち塞がる敵を踊るようなステップで揺さぶり、魔術の如く曲がるキックでゴールを脅かした。変幻自在にボールを操り、挑んで来る者に尻もちをつかせたブラジルの名選手が、ガリンシャ( Garrincha/Mamoel Francisco dos Santos ) だ。

 

リオのボタフォゴで頭角を現し、21歳でブラジル代表に選出。58年W杯で母国の初優勝に大きく貢献し、相手を翻弄するドリブルで世界に衝撃を与える。62年W杯では、初戦で負傷したペレの穴を埋め、得点王の活躍で大会2連覇の立役者となった。時にペレ以上の選手と言われ、「脚の曲がった天使」と呼ばれてブラジル国民に愛された。

晩年は己の名声を浪費し、様々なトラブルや不幸に見舞われて、栄光から転落への人生を歩むことになったガリンシャ。しかしその刹那的で破滅的な生き方、そして哀しくも滑稽な人間味が、ガリンシャという男の魅力だった。

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