ビロードのような繊細なタッチと、アウトサイドを多用したダイレクトパスで中盤を支配したプレーメーカー。華麗なドリブルで相手をかわし、豊富な運動量で守備にも貢献した。クラッシックを奏でるような優雅なプレースタイルから「チェコのリトル・モーツァルト」と呼ばれたのが、トマーシュ・ロシツキー( Tomáš Rosický )だ。
チェコの強豪スパルタ・プラハで名を成し、ドイツのドルトムントでは10番を背負ってブンデスリーガ優勝に導く。その後移籍したイングランドの名門アーセナルで、セスク・ファブレガス、アレクサンドル・フレブとともに黄金の中盤を形成。2度のFAカップ優勝に貢献する。だが円熟期を迎え、たび重なる怪我に苦しんだ。
チェコ代表で3度のユーロと06年ドイツW杯に出場。ユーロ04ではネドベド、ポボルスキー、コレル、バロシュら攻撃陣を華麗なパスワークで操り、オランダ、ドイツといった強豪を破って大会ベスト4に貢献。06年からは代表キャプテンを10年務めた。
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