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サッカーの歴史や人物について

《サッカー人物伝》マティアス・シンデラー(オーストリア)

 

「ヴンダーチームの悲劇」

卓越した戦術眼を持ち、強力なシュートと高いテクニックで得点を重ねていったCF。エレガントなプレースタイルで観客を魅了し、細身の身体でDFの間をスルリと抜けていく様子から「紙の男」のニックネームで呼ばれた。その活躍で今なおオーストリア史上最高の選手と言われるのが、マティアス・シンデラー( Matthias Sindeler )だ。

 

ウィーンのヘルタで才能を開花し、名門FKアウストリアへ移籍。チームの主力として2度のミトローパ・カップ中央ヨーロッパ杯)優勝を果たすなど、クラブの黄金期を築く。「ヴンダーチーム(驚異のチーム)」と呼ばれ恐れられたオーストリア代表でも、中心的存在となって欧州にその名を知らしめた。

 

34年W杯では優勝候補と目されたが、ファシスト政権で大会制覇を至上命題とされた地元イタリアの前に敗れ去る。その4年後の大会に雪辱を期すが、オーストリアナチスドイツに併合され「ヴンダーチーム」は消滅。戦争の時代に翻弄されたシンデラーにも、悲劇的な結末が待ち受けていた。

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