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サッカーの歴史や人物について

《サッカー人物伝》ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)

 

「神に選ばれし悪童」

ほとんど左足1本でボールを操り、魔術のようなテクニックと比類のないパスセンスで、いくつもの名プレー・名場面を演じた。サッカー界に一時代を築いたレジェンドとして、もはや説明の必要もないアルゼンチンのスーパープレイヤーが、ディエゴ・マラドーナ( Diego Armand Maradona )だ。

 

少年時代から類い希な才能と存在感を発揮、80年代にはアルゼンチン代表を18年ぶり2度目のWカップ優勝に導き、それまで無冠だった地方クラブのナポリに2つのスクデットをもたらした。しかしマラドーナが伝説となったのはその卓越したプレーだけではなく、周りの者を巻き込む強いメンタルとカリスマ性が多くのドラマを生み出したからだ。

 

その栄光の一方、サッカー界の問題児として奔放に振る舞い、多くのスキャンダルで世間を騒がせた存在だった。90年代以降はコカイン使用などで自らの栄光を汚し、94年のWカップではドーピングが発覚して15ヶ月の長期の出場停止処分を受けた。だがその陰の部分を含めた人間臭さが、マラドーナの魅力でもある。

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